変位計で透明体を測定する

2024.11.27
変位計で傾きを測定する場合、複数箇所の高さを測定し、それら高さから傾きを算出するが一般的です。ただ、CMOSイメージセンサなどは、CMOS本体の上にガラスカバーがあるため、変位計のレーザ光線を当てると表面と裏面で光が反射され、CMOSまでの距離と共にカバーガラスまでの距離も同時に計測結果として出力されます。そのため、どれがCMOSまでの距離かが判らなくなることがあります。
今回は、CMOSセンサの変位測定を例にとり、ターゲット値を探り出すテクニックを解説します。

ターゲット以外の測定結果が出力される場合とは?

よくあるお客様の声として、カバーガラスでフタをされたCMOSセンサ表面までの高さのみ測定したいというニーズがあります。ところが、CMOSセンサは外装に光学コーティングされたカバーガラスがあるため、下記のようにカバーガラスの表裏とチップ表面からの3点の反射がえられてしまい、測定器はそれら3点までの距離を出力します。ガラス表裏までの距離(No2とNo3)は必要なく、センサ面までの測定結果のみが欲しい時にはどうすればよいのでしょうか?

実際に図 1を変位計で測定すると、下図2のように表すことができます。縦軸を輝度、横軸を測定レンジとしています。この横軸は、測定器の測定レンジ(例えば80 ㎜)を0  ㎜に置き換え、そこからの相対距離を表しています。測定レンジと設置状態(図1)から推測して、センサ面からの反射がNo.1、カバーガラス上面からの反射がNo.2、カバーガラス裏面からの反射がNo.3となります。

複数の反射を扱う際の便利な機能として、駿河精機の変位計にはピークソート機能というものがあります。複数の反射の中で測定したい反射の指定や、測定する範囲の指定などを行うことができます。この機能を使えば透明体における様々なパターンの測定に応用することができます。

駿河精機の変位計について詳しくは、以下をご覧ください。

レーザ変位計「Smart LPS 1D」

変位計で透明体を測定するテクニック

変位計で透明体を測定するテクニックとして、以下2つが挙げられます。

①測定したい反射を指定する

②測定したい範囲を指定する

今度は逆に、カバーガラスの厚みや平行度のみを測定したい場合は、No2やNo3の測定結果のみを出力します。しかし、カバーガラスとCMOSセンサとの距離が非常に短い時、図 3のようにCMOSからの反射が強すぎて、カバーガラスからの反射がうまく得られない場合があります。

ピークソート機能を使用すれば測定したい範囲を指定することができるため、CMOSからの反射を排除することによって、カバーガラスからの反射のみ測定することもできます。

透明体と不透明体の変位を同時に測定するならSmart LPS 1D

CMOSセンサのような透明体と不透明体の複合を同時にレーザで変位測定する場合は、目的に合った測定を1回で可能なSmart LPS 1Dのソフトウェア機能を活用できます。

「Smart LPS 1D」は低価格で高精度なレーザ変位計です。光学原理を用いて測定するため、小数点以下の細かい変位測定を簡単に行うことができ、アナログ器具を用いた測定方法と比べて高い精度での測定が可能です。
デモ機の貸出も行っておりますので、測定を試したい方は、お気軽に以下からお問合せください。

デモ機貸出

またSmart LPS 1Dは、レーザ光を用いて測定対象に非接触で測定ができるため、測定対象を傷つける心配がありません。複数箇所の測定をする場合でも、変位測定にかかる時間を大幅に短縮できます。

Smart LPS 1Dについて詳しくは、以下の資料をご覧ください。

製品資料

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