変位計で振動測定を行うには?
測定方法・注意点・FFT解析まで解説
そこで活用されるのが、レーザ変位計による非接触測定です。対象物の変位を高速かつ高精度に連続測定することで、振動の大きさや周波数を数値として把握できます。
本記事では、レーザ変位計を用いて振動を測定する方法や、安定した測定を行うためのポイント、取得した変位データから振動の周波数を解析する方法について解説します。
【この記事でわかること】
・レーザ変位計で振動を測定する仕組み
・振動を安定して測定するためのポイント
・変位データから振動の周波数を求めるFFT解析の基礎
・振動測定に適したレーザ変位計の選び方
レーザ変位計による振動測定とは
変位計による振動測定とは、レーザ変位計を用いて対象物の変位を連続的に測定し、その変位データから振動の大きさや周波数を解析する測定方法です。非接触で測定できるため、対象物に影響を与えず、高速かつ高精度な振動測定が可能です。設備診断や品質管理、異常検知など幅広い用途で活用されています。
レーザ変位計で振動を安定して測定するには?
回転体や直動機構などの振動を正確に測定するためには、変位を連続かつ安定して取得できる測定環境を整えることが重要です。レーザ変位計を使用することで、対象物に接触することなく、高速・高精度な振動測定を行えます。
しかし、測定環境や計測方法によっては、正しい測定結果が得られない場合があります。振動を安定して測定するためには、次の4つのポイントを押さえることが重要です。
1. 計測器に測定対象物や装置の振動が伝わらないこと
理想的には物理的に各々が独立していないと、測定器と測定対象が同じ振動でゆれてしまい、測定物の固有振動が測定できなくなります。
2. 振動の外的影響を排除する
設置環境下での温度変化、エアコンなどから受ける風の影響も考慮する必要があり、簡易的なクリーンブースや、除震台などの活用も検討に値します。
3. 高精度・高速な非接触変位計を使用する
レーザ変位計は対象物に接触することなく、高速かつ高精度に変位を測定できます。そのため、微小な振動や高速で変化する動きの測定にも適しています。
安定した振動測定を行うためには、変位計の繰り返し精度も重要なポイントです。繰り返し精度と測定精度の違いについては、下記の記事もあわせてご覧ください。
4. 高速にデータを取得・保存する
高速で変位量を測定する場合、外部機器との通信のための時間が問題となる場面もあります。
アナログ出力を使用し、常時監視およびデータ蓄積することがよく行われています。蓄積されたデータはExcelなどを使用することで、積算移動量や、瞬間的、微視的な移動量から対象物の状態を確認することができます。
変位データから振動の周波数を求めるには?
駆動する対象物を連続測定した変位量から、データに含まれる周波数を知りたい場合があります。
データに含まれる周波数を計算する方法として、広く用いられているのが、高速フーリエ変換です。それにより、変位量などのデータに含まれる周波数とその割合が判断できます。
レーザ変位計で取得した変位量(例)をグラフで示したのが図3右上の「実際の波形」となります。多くの波形はいくつかの波形が合成された合成波形(波形1+波形2)となっており、そのままでは波形に含まれる周波数を把握することが難しくなります。
そこで用いられるのが、FFT(高速フーリエ変換)解析です。FFT解析を行うことで、複雑な振動波形を周波数ごとに分解し、それぞれの周波数成分とその大きさ(レベル)を把握できます。
サンプリング時の注意点
FFT解析を正しく行うためには、サンプリング周波数を適切に設定する必要があります。標本化(サンプリング)定理では、測定対象の最大周波数成分 fmax がサンプリング周波数 fs の半分以下となる必要があります。
fmax ≦ fs/2
つまり、次のポイントを満たすことが重要です。
・サンプリング周波数は、測定したい最大周波数の2倍以上に設定する
・条件を満たさないと、エイリアシング(折り返し雑音)が発生する
・高周波の振動を測定する場合は、十分に高いサンプリング周波数を選択する

図4 FTT解析と周波数
図4ではサンプリング周波数(Fs)を160kHzとして40kHzと200kHz をサンプリングした例です。
※ 水色の線が実際の波形、赤い点がサンプリング点、緑色の線がサンプリング点から誤って復元された波形
周波数が 40kHzの場合(図4左)、fmax ≦ fs/2を満足しており、正しく周波数の解析が行えています。
周波数が 200kHzの場合(図4右)、周波数が80kHzを超えていますので、正しく周波数の解析が行えておらず、異なった周波数を導き出しています。
これを折り返し雑音、または、エイリアシング 雑音といいます。
これを防ぐためにも、高周波数でのサンプリングまたは事前の準備、想定が必要になります。
以上のように、いくつかの注意点や技術的な勘所はありますが、変位計を用いて、
簡易的に振動やブレの測定を行うことができます。
変位計による振動測定でよくある質問(FAQ)
Q.変位計で振動を測定できますか?
レーザ変位計を使用すれば、対象物に接触することなく微小な振動を高精度に測定できます。
Q.振動の周波数はどのように解析しますか?
取得した変位データをFFT(高速フーリエ変換)解析することで、振動に含まれる周波数成分やレベルを把握できます。
Q.FFT解析で注意することはありますか?
サンプリング周波数は測定対象の最大周波数の2倍以上に設定し、エイリアシング(折り返し雑音)の発生を防ぐことが重要です。
Qレーザ変位計で振動を測定するメリットは何ですか?
非接触で対象物に影響を与えず、高速・高精度に変位や振動を測定できるため、設備診断や品質管理、異常検知などに活用できます。
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本記事では、レーザ変位計を用いた振動測定の方法や、FFT解析による周波数の求め方、測定時の注意点について解説しました。
振動を高精度に測定するためには、微小な変位を安定して取得できる変位計を選定することが重要です。
駿河精機のレーザ変位計 「Smart LPS 1D」 は、光学方式による非接触測定を採用しており、微小な変位を高精度かつ高速に測定できます。対象物に接触しないため、測定対象を傷つけることなく、設備診断や振動解析、品質管理などさまざまな用途で活用できます。
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