角度から平面度を求める方法は?
レーザオートコリメータでの計測例をご紹介

2024.09.25
測定対象物の傾き・角度を測るときにはレーザオートコリメータを用いることが一般的です。しかし角度測定以外の用途では、レーザ変位計等の別の測定器に切り替えて、別データとして測定しなければなりません。今回は、レーザ測定器の長所を生かして、対象物の角度データから平面のうねりを考察する一例をご紹介いたします。

レーザオートコリメータは角度しか測れない?

よくあるお客様の声として、角度のみ測定したいというシーンがなく、レーザオートコリメータを稀にしか使用していないということが挙げられます。実際、レーザオートコリメータで取得できるデータは角度だけですが、少し視点を変えれば、簡単な変換計算を行うことで、レーザオートコリメータによる角度データのみで測定対象物の表面の平面度や平行度の判定ができます。

角度から平面度を求める方法

以下のコラムにて、レーザオートコリメータを用いた平面度の測定方法をご紹介しました。

高さ分布における平面度はJISで定義されており、一般的には測定基準点からの上下の振れ幅の最大と最小が二平面間隔の幅の間に収まることが、平面度の可否条件になります。
高さを求める際には、変位計を用いることが一般的ですが、振れ幅の最大と最小の角度情報と測定点間の位置情報があれば、計算によって高さ情報を算出することができます。

連続計測

角度で平面度を測る場合、まず直線で連続的に角度を測り、測定面の正確な平面度合の角度分布図を作る必要があります。
例えば、下記のようなうねりのある測定対象物の表面形状を測る際、0度に近いAとBの2点だけを離散的に測定すると平面形状と誤認します。A-B間の角度を連続的に測定することでうねり形状だと分かるのです。

では、実際に角度から平面度を計算する方法を簡潔にご紹介します。
例えば下記のような円弧上の測定対象物の表面をCからDまでレーザオートコリメータで連続して角度測定した場合、下記のような測定分布図が作れます。

この時、振れ幅の最大がC、最小がDになるので、C-D間の角度差と位置差を用いて、下記のように三角係数の公式で計算を行うとC-D間の高さ情報を得ることができます。

X = (Dの測定位置-Cの角度) * tan(Cの角度-Dの角度)
= 30 * tan(0.003)
=  0.00157・・・[mm]

後は算出した高さ情報がJISで定義されている高さ分布における平面度の可否条件内であれば、測定対象物は平面であると言うことが可能です。

このように、角度測定しかできないレーザオートコリメータでも平面度を簡単に求めることができます。

高精度な角度測定なら駿河精機のレーザオートコリメータ

ここまで解説したように、平面度はレーザオートコリメータの角度情報から求めることが可能です。
駿河精機がご提供するレーザオートコリメータ 「Smart LAC」は、角度や平面度を高精度に測定できます。

Smart LACにはさまざまなモデルや機能があり、測定ニーズに合ったオートコリメータを選択することが可能です。注文から1週間で納品が可能ですので、お急ぎの場合もご相談ください。
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