レーザオートコリメータで測定可能な
レーザの種類と選び方とは
レーザオートコリメータとは
レーザオートコリメータとは、レーザ光を用い、測定したい面の傾きや振れを測定できる計測機器のことを指します。非接触での測定が可能であるため、測定対象物を傷つける心配がないことが特長です。
主に光学系や機械系において、部品位置の調整や対象物の姿勢の測定に使用されます。精密な角度測定だけでなく、平行度、光軸、アライメントなどの検査・調整といった幅広い用途でも用いられます。
レーザオートコリメータの測定は、レーザ光のもつ直進性とレンズの集光の原理を利用しています。光源であるレーザを1次レンズでコリメート光へ変換し、筐体から出射します。対象物から反射して戻ってきた光が2次レンズにより屈折しセンサ上に照射されます。2次レンズの効果は光線の角度情報をセンサ上の位置情報として変換されます。
対象物が照射したレーザ光に対して傾きなく設置されている場合は、反射光による写像は入射光と完全に一致します。一方、対象物が傾いている場合はずれて結像されるため、ずれの度合いから角度の測定が可能です。
オートコリメータの原理や使用用途について以下で詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
原理や使用用途を解説!
【波長別】レーザオートコリメータで使用されるレーザの種類
レーザオートコリメータで使用できるレーザ波長は製品によって異なりますが、駿河精機のレーザオートコリメータで使用可能なレーザ波長は4種類あります。
赤外
波長が852nmのものは赤外のレーザになります。不可視域帯であるため、照射点が見えないという問題があり、注意が必要です。IRカードなどを用いて目視できるようにして使用する必要があります。
赤
赤のレーザは波長が655nmのものです。可視光帯であるため、一般的にはこの波長のレーザを使用されます。測定対象物としては、ミラーや素ガラス等が挙げられます。
緑
緑のレーザは波長が520nmのものを指します。緑色は人にとって視認性が良く使いやすいです。
青
青のレーザは波長が450nmとなっています。測定対象物の表面に反射防止膜、IRカットフィルター等があり、赤色のレーザが使用できない場合に使用されます。
この章ではレーザオートコリメータのレーザの種類を説明しましたが、測定対象物によってどの波長のレーザを使用するか選択しなければなりません。
次章では、レーザの選び方について解説します。
【測定対象物によって変わる】レーザの選び方
前章で解説した通り、基本的には赤の波長のレーザを使用しますが、測定対象物の波長特性によっては測定できない可能性があります。
レンズには、映り込みや不要な反射を防ぐために各種のコーティング(Anti-Reflection Coating)が施されており、自動調整できない場合や、十分な光量をもって計測できない場合があります。
この場合は、ARコートによる反射率の低い波長を避けて、反射率の高い波長を選択することが有効です。例えば450nm~655nmの波長のレーザの反射を防止するARコートが施されたガラス面では、赤、青、緑のレーザ光源では上手く測定できない場合がありますが、赤外のレーザ光源では問題無く計測できます。
また、450nm以下の波長のレーザの反射を防止するARコートの場合は、青のレーザ光源では計測できない場合がありますが、他の赤外、赤、緑のレーザ光源では計測が可能です。
このように測定対象物の波長特性を確認し、反射波長に応じて4種類のレーザから適した内部光源波長を選択することが重要です。
内蔵光源波長の豊富なレーザオートコリメータ「Smart LAC」
一般的なレーザオートコリメータは赤のレーザを内蔵していることが多いですが、解説した通り測定対象物によっては測定できません。そのため、内蔵光源波長の種類が多いレーザオートコリメータを選ぶことが重要です。
駿河精機のレーザオートコリメータ「Smart LAC」なら、製品ラインナップが豊富で、赤外、赤、緑、青の4種類のレーザから選択可能です。そのため、測定対象物の表面に特定波長のARコート付き素子がある場合も測定できます。
また、1週間という短納期での納品が可能なため、すぐに測定していただくことができ、急な測定ニーズが発生した場合も安心です。
「Smart LAC」の詳細を知りたい方は、下記からサービス資料をダウンロードください。
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