非鏡面の角度測定が難しい!
レーザオートコリメータでの測定方法とは
レーザオートコリメータを用いた非鏡面の角度測定、なぜ難しい?
測定対象物が非鏡面の場合、レーザオートコリメータで角度を測定するのはなぜ難しいのでしょうか。その理由を、レーザオートコリメータの概要や測定原理から解説します。
レーザオートコリメータとは
そもそもレーザオートコリメータとは、ワークの傾きを高精度にリアルタイム測定できる計測機器のことです。
センサ1台で傾きがわかるため、省空間・省価格・省エネが実現可能です。また、非接触で測定できるため、測定対象物に損傷を与えないというメリットがあります。
レーザオートコリメータは、主に光学系や機械系の部品位置の調整や、対象物の姿勢の測定に使用されます。他にも光学窓やウェッジの面など端面の平行度測定、直角度の測定、回転盤の回転角の測定など幅広い用途があります。
オートコリメータについて詳しくは以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
原理や使用用途を解説!
レーザオートコリメータの測定原理
レーザオートコリメータは、平行光を集光レンズに入射すると、その入射角度に応じて焦点面上の位置情報に変換されるという原理を利用しています。測定対象物へレーザビームを照射し、その反射光をイメージセンサ上に集光させることで、測定対象物の傾き角度を決定する仕組みです。
そのため、レーザを対象物に当てた際に光を正反射できないと角度が測定できません。測定対象物が鏡面である場合は、光を正反射するためレーザを照射すると測定が可能ですが、測定対象物が非鏡面である場合は、光を正反射しないためレーザを照射するだけでは測定が不可能です。
実際にレーザオートコリメータのレーザを測定対象物に照射した場合、測定対象物が金属研磨面やガラス研磨面など測定できるものであれば、正反射されたレーザを表示画面で確認できます。しかし、測定対象物が金属切削加工面や樹脂などの場合、照射したレーザが正反射されず表示画面で確認できないため、角度が決定できません。
レーザオートコリメータで非鏡面の角度を測定する際の対策
レーザオートコリメータで非鏡面の角度を測定する場合、前章で解説したように光を正反射できず通常の測定方法では測定できないため、対策が必要となります。
対策としては、主に以下の2つの方法があります。
測定対象物の表面を鏡面研磨する
一つ目は、測定対象物の表面を鏡面研磨するという対策です。金属やアルミ、プラスチックといった測定対象物を研磨することで、表面を鏡面のように仕上げます。
鏡面研磨には、以下のような研磨シートを使用します。
表面を鏡面研磨することで光を正反射できるようになるため、測定が可能となります。
ワーク上にミラー又はガラス板を設置する
二つ目は、ワーク上に以下のようなミラー又はガラス板を設置するという対策です。
上記画像のような光学ガラスがない場合、顕微鏡用のスライドガラスやカバーガラスでも対策可能です。
測定対象物は非鏡面で光を正反射できないため、ワーク上に設置したミラー又はガラス板で光を正反射させ角度を決定します。
レーザオートコリメータで測定したい対象物が非鏡面である場合は、以上2つの方法のいずれかの対策を行い、測定するようにしましょう。次章では、おすすめのレーザオートコリメータをご紹介します。
レーザオートコリメータならSmart LAC
非鏡面を測定する際は対策が必要ですが、高精度な角度測定を実現するためには、レーザオートコリメータの使用が欠かせません。レーザオートコリメータなら、駿河精機のSmart LACがおすすめです。
Smart LACは豊富なバリエーションがあり、自社の測定用途に合わせて機器を選択可能です。センサヘッドやIPUも自由に組み合わせることができるため、センサヘッドのみの交換も行えます。
さらに、注文から1週間という短納期での納品が可能であるため、すぐに測定していただけます。
デモ機の貸出にも対応しており、実際に測定できるかお試しいただけますので、「測定対象物が非鏡面だが、対策を行い測定できるか確かめたい」というご担当者様は、以下からお問い合わせください。
また、Smart LACの詳細が気になる方は、以下からご覧ください。
製品資料
レーザオートコリメータ Smart LAC