製品の品質確保に欠かせない!
受入検査とは? 目的・基準を紹介

2024.04.04
製造業において、製品に欠陥や不具合が出ると顧客の信頼を失うことになりかねません。製品の品質を担保するためには検査を行うことが重要ですが、検査にはいくつか種類があります。その中でも今回は受入検査にフォーカスし、検査の目的や検査方法、検査基準や使用機器を解説します。

受入検査とは

受入検査とは、サプライヤーから提供された製品(原材料や部品)が、特定の基準や要件を満たしているかどうかを確認する活動のことを指します。製品の品質や性能、安全性、規格への適合性などを評価するために行われる重要なプロセスです。製造における検査工程には、受入検査、工程検査、最終検査、出荷検査の4つのプロセスがあり、受入検査はその最初の工程となります。

出荷検査について詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

受入検査の目的

受入検査には、主に以下の2つの目的があります。

・仕様への適合性の確認
製品が設計仕様や規格に適合しているかどうかを確認します。

・不具合や欠陥の発見
製品に潜在的な不具合や欠陥がある場合、それらを早期に発見し後続の工程での不具合を減少させ、品質を確保します。

受入検査をしないことによるリスク

受入検査を行わない場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

・品質問題
受入検査は製品の品質を確認するための重要なステップであり、受入検査を行わないと、製品に欠陥や不具合が出る可能性が高まります。これにより、顧客の不満やクレームが増加し、信頼性や評判が損なわれる可能性があります。

・法的・規制上の問題
特定の業界や製品には法的な規制が存在する場合があり、受入検査を怠ることで、規制順守に関する問題が生じる可能性があります。罰金や法的な訴訟などのリスクが伴う場合もあります。

・コスト増加
受入検査を怠ると、製品の不具合が後で発見され、修正にかかるコストが増加する可能性があります。また、品質管理の不備により、顧客からのクレーム処理や返品処理などの追加コストが発生する可能性もあります。

・顧客満足度の低下
品質や信頼性の問題が顧客に影響を与える可能性があります。受入検査を怠ると、顧客が不満を抱き、競合他社の製品に切り替えてしまうこともあります。

本章では受入検査の目的やリスクについて解説しましたが、次章では検査方法を紹介します。

受入検査の方法

受入検査の方法には、主に以下の2つの方法があります。

・全数検査
生産ラインから出てくる全ての製品やサンプルを検査する方法です。全数検査は、生産ラインから出てくる製品の品質を厳密に確認したい場合や、製品の欠陥や不良品の発見を重視する場合に適しています。

・抜取検査
製造工程や生産ラインから一定数の製品を無作為に選んで検査する方法です。抜取検査では、製品の一部をサンプルとして選択し、そのサンプルを検査して製品全体の品質を推定します。適切に実施されれば、抜取検査は時間とコストを節約しながらも、製品の品質を十分に確保できます。ただし、検査サンプルの選択方法や検査基準の設定が重要であり、信頼性の高い結果を得るためには注意が必要です。

一般的には全数検査は工数と費用も膨大になり経済的かつ現実的ではない場合が多く、「人命に関わる製品」「高価な製品」「検査によって消費・破壊されない製品」などの場合に行われます。そのため、多くの場合は抜取検査で実施されます。
しかし受入検査の実施方法に決まりはないため、方法を決める際は、かけられる予算や労力、製品の特性、品質要求、製造数量などを考慮して、最も適切な方法を選択することが重要です。

次章では検査における基準を解説します。

受入検査の基準

受入検査の基準は製品によって異なりますが、一般的には以下の検査項目を満たしているかを確認します。

・寸法が規格に合っているか
・キズがないか
・変色していないか
・変形していないか
・基準面に対する角度が合っているか
・錆がないか
・梱包材が変形していないか
・各製品の製造過程にて発生する可能性のある不良がないか

また、抜取検査の場合には、効果的に行うための基準として、日本の工業規格(JIS)として定められているJIS Z 9015と、許容品質水準を示すAQLが存在します。
JIS Z 9015には、サンプルの抽出方法や判定基準、検査水準などが具体的に記載されています。
また、AQLは「Acceptable Quality Level」の略で、許容品質水準という意味です。これは、検査を行う際の品質の許容範囲を示す指標で、AQLが示す値よりも不良品の割合が低ければ、そのロットは合格とされます。

検査基準を満たしているか確認する際には、さまざまな機器を使用します。どのような機器を使用するのか、次章で解説します。

受入検査でよく使用される機器

受入検査でよく使用される機器は以下の通りです。

・ノギス
・マイクロメータ
・測定顕微鏡
・レーザオートコリメータ
・三次元測定機

前述の受入検査の方法を全数検査にするか抜取検査にするかによって時間とコストが異なるため、使用する機器は異なります。検査方法と併せて検討するようにしましょう。

受入検査での角度確認にはレーザオートコリメータを使用しよう

製品の品質を確保するためには、製造工程の最初に行う受入検査でさまざまな機器を用いて正確に検査することが重要です。特に角度は製品の機能に関わるため、適切な検査が必要となります。角度を高精度に測定することで、事前に欠陥や不具合のある原材料・部品を見つけることができ、完成時の不良品を減らすことにつながります。

高精度な角度測定を行い、品質を担保するには、レーザオートコリメータを使用するのがおすすめです。
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