ものづくりにおける
「精度」「正確度」とは?
本記事では、「精度」「正確度」の定義の違いと、どうすれば精度を上げることができるのかについて解説します。
「精度」と「正確度」
・精度とは
精度とは、測定結果の間の一致の程度を示すものです(JIS Z 8402‐1)。 言い換えますと、測定値のばらつきを表したものです。各々の測定結果には偶然誤差や過失誤差が含まれるため、精度の良し悪しは、複数回の測定や試行を行わないと判明しません。統計学的には、全体の平均値と標準偏差でばらつき具合を見定めます。
複数回の測定や試行は、「繰り返し精度」や「再現性」という言葉に置き換えられますが、意味あいが少々異なります。「繰り返し精度」は、同じ測定器と試験環境における複数回の測定対象物を測定することを指します。簡単に言いますと、物のサイズを数回測定して、それら測定結果にバラツキがなければその測定器の精度は高いと評価できます。一方で、「再現性」とは、測定器や測定者が異なっても、測定方法が同一ならば、同じ結果を得られる度合を指します。
このばらつきが起こるとなぜ問題なのか、下記の記事では5つのリスクをご紹介しています。併せてご覧ください。
・正確度とは
正確度は、結果が真値や目標値にどれだけ近いかを表したものです。精度的にバラツキが小さくても、真値、あるいは、目標値に近いとは限りません。例えば、ロッドを製作して、その長さの目標値が15 cmならば、測定結果は15 cmに近いはずですが、高精度を誇る測定機器を使用して得られた結果が16㎝付近に集中しているならば、その測定結果は、正確ではないといえます。測り方が悪いというのもありそうですが、その狂いの原因の大半が、系統誤差に由来することが多いようです。
精度の高さはなぜ求められるのか
ものづくりの現場において、繰り返し精度の高さが求められるのは、主に製品の品質を安定させるためです。
生産する製品の寸法・角度などが基準値をクリアしていることを確認する必要がありますし、クリアしていない生産物は次の工程段階へ送らないようにするためです。そうすることで、最終工程で廃棄となる不良品をなくすことや、不良品によって発生するトラブルを防ぐことにも繋がるため、材料やエネルギーの無駄、トラブルへの対応工数などを削減することができ、コスト削減にも繋がります。
製品の品質を一定に保つためには、可能な限り高い精度を持つ測定器を使用することが、製品のばらつきを抑え、常に高品質な製品を供給する重要な要素です。
精度や正確度が落ちる、主な要因
測定の劣化を防ぐには、その要因を知り、対策をすることが欠かせません。
・精度が落ちる要因 ‐ 目視計測など、人に依存した測定方法
測定方法が人に依存したものになっていることで発生する、過失誤差により精度が低下します。
例えば角度を測定する際、分度器やプロトラクターといった測定器具で、人間が読み取れる変位には限界があるため、測定結果にどうしてもばらつきが生じてしまいます。最小目盛り以下の値については、測定者の目分量で読み取っていることもあるでしょう。このように、人に依存した測定方法を採用している場合は、測定者の違いによってばらつきが生じやすく、精度が低くなってしまいます。
・正確度が落ちる要因 ‐ 温度 / 湿度 / 気圧 など、環境要因
温度変化による例ですと、測定機器や加工機械が膨張・収縮して測定値や加工精度に影響を及ぼしたり、材料の特性(強度、弾性、硬度など)が変わって製品の正確度に影響を与えたりといったことが考えられます。
また、高湿度環境では金属部品が腐食や酸化しやすくなるため、これも測定機器の正確度を低下させます。また、精密な圧力計や真空機器など、気圧の変動に敏感な機器は気圧の変化によって正確度が低下することがあります。
高精度な測定機器を上手に利用することが大切
精度を高めるためには、高精度な測定機器を利用することが有効です。そして、測定機器は、その用途によってさまざまな製品があります。目的・用途に応じて、適切な測定機器を導入することをおすすめします。
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駿河精機のレーザオートコリメータ「Smart LAC」は、レーザを当てるだけで高精度な測定結果がリアルタイムにモニターに表示されます。精度だけでなく測定にかかる時間を大幅に短縮させることも可能な角度測定機器です。
また、レーザによる非接触での測定ができるため、製品を傷つけず計測が可能な点もメリットです。
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お役立ち資料
レーザオートコリメータの3つのメリット