【事例あり】
製品の再現性低下・ばらつきを防ぐには?
数値管理の重要性を解説

2024.04.08
製品の再現性を確保し、ばらつきを防ぐことは、生産管理において重要な観点です。本記事では、数値管理ができていないことによるリスクと、ばらつきを低減するための数値管理ツ―ルをご紹介します。

製造における数値管理ができていないことで起こる「5つのリスク連鎖」

製品の数値管理が不十分な場合、以下のようなリスクの積み重なりが生じる可能性があります。

リスク1:品質の低下

数値管理が行き届かない場合、製品の品質が一定でなくなります。製品の性能や特性がばらつき、不良品の発生率が高まる可能性があります。

リスク2:生産効率の低下

正確な数値管理ができないと、製品の生産ラインが正常に機能せず、生産効率が低下します。さらに、製品の製造プロセスにおいて誤った判断や手順が発生する可能性もあり、製品の修正が頻繁に発生するといった事態を招くことになりかねません。

リスク3:コスト増加

数値管理が不十分な場合、製品の品質が低下し、不良品の発生率が上がることで、返品や修正コストが増加します。また、無駄な資材の消費に伴うコストも増加する恐れがあります。

リスク4:顧客満足度の低下

不良品が顧客に届けられると、顧客満足度が低下してしまいます。顧客からの苦情やクレームが増え、企業に対するイメージにも悪影響を与える可能性があります。

リスク5:法規制違反

特定の産業や製品には厳格な品質基準や規制が存在します。上記リスク1を放置しておくと、これらの規制に違反する可能性が高まり、法的な問題や罰則を引き起こす恐れがあります。

このように、製造業では、工程ごとのばらつきや品質低下は無視できないリスクであるため、徹底した数値管理が重要になります。次章では数値管理を行うための測定ツールをご紹介します。


ばらつきの低減なら“数値管理”を高精度に行うことが重要

製品の品質担保やばらつきを低減するためには、人手による数値の測定・検品のみならず、測定装置などのツールを用いて、高精度に管理を行っていく必要があります。ただし、用いるツールによって、精度が異なっていたり測定の条件によって結果が異なったりするなど、課題がある測定方法もあるでしょう。

本章では、数値管理をしている/していないツールをご紹介します。

数値管理していない

ものづくりにおいて、数値管理をしていないと考えられているツールは、いわゆる、アナログツールを用いて、熟練の感覚に頼る測定です。

重さであれば「はかり」、長さは「定規」や「メーター」、角度であれば、「ゲージ」などを、目視による測定結果の読み取りである場合、見落としや見誤りを回避する練度、ゲージを用いた測り方にコツがある等、測定者の技量や経験、高い注意力が、測定精度を左右します。

数値管理している

一方で、数値管理をしていると捉えられるのが、精密なデジタル計測器を用いて、可能な限り、測定者の技量や判断を介入させないツールや測定方法を指します。

例えば、非接触型変位計は、物体の位置の移動量や高さ、厚み、幅などを測定するために使用されます。非接触型のセンサーヘッドを所定の位置に固定し、電源を投入すれば、それ以上人の手を介入せずに対象物の測定が可能になりますし、測定者の技量を問わず、高精度の測定結果が等しく得られます。

変位計については以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

 

角度の数値管理ならレーザオートコリメータ

本章では、角度の数値管理を具体的な事例を用いてご紹介します。

【事例】測定環境による再現性の違いを、同じ測定方法を用いて可視化

ここでは、除振台のあり/なしという、測定環境による再現性の変化を可視化することができた事例 をご紹介します。 一般的なスチールデスク上に被験サンプルを置いた場合と、アルミハニカム光学ブレットボード(光学用除振台)を用いて振動を除去した場合、とを比較しました。結果としては、再現性を飛躍的に向上させることができています。

測定環境による再現性の比較実験

趣旨: 実験1を比較対象とし、同じ測定方法で除振した場合の実験2との測定結果を比較する。

結論: 実験1と2の結果を比べると、角度測定の再現性は、Txで4倍、Tyで8倍向上している。

このように、人の感覚では検知不可能な数値の違いを可視化し、再現性の違いを提示することが可能です。

レーザオートコリメータなら駿河精機のSmart LAC

上記の事例からも分かる通り、より厳密な生産品の再現性を確保するためには、高精度測定器のみならず、それにふさわしい測定環境を揃えることも不可欠です。特に、角度においては、基準面や測定環境により、数値にばらつきが出やすいため、慎重な測定をする必要があります。
高精度な角度測定を行い、品質を担保するには、レーザオートコリメータを使用するのがおすすめです。
駿河精機のレーザオートコリメータ「Smart LAC」なら、非接触で角度を測定できるため、製品を傷つけず、レーザを当てるだけで瞬時に測定できるため、角度測定にかかる時間を大幅に短縮させることができます。

レーザオートコリメータについて詳しく知りたい方、メリットを知りたい方は以下の資料をご覧ください。

お役立ち資料

高精度な角度測定を実現する
レーザオートコリメータの3つのメリット
機械設計者や光学設計者は角度測定を行う際に、ゲージ・ピックを用いたり、自作の光学測定器を用いたりして目視で測定しています。 しかし、目視による角度測定はデータ化が困難、光学系の内製に伴う専門知識とコストの問題、そして複数点の精密測定の難しさといった課題を抱えています。本資料では、このような角度測定の課題を解決し、高精度な角度測定を実現する方法としてレーザオートコリメータを用いるメリットを3つご紹介します。
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