光センサとは?特徴や種類、用途をご紹介

2024.05.09
光センサは、光を利用した検知装置で、透過型や反射型などの分類があります。非接触で応答時間が短く、位置や距離、角度などの検出に利用されます。本記事では光センサの基本概念から種類、特徴や用途を解説します。

光センサとは?

光センサとは、光を利用して対象を検出するセンサの一種です。受光素子が単独で働く単純なものや、光源と受光素子が一体となり、光の反射や遮断、透過などの性質を利用して、物体検知や距離測定、角度検知など、様々なセンシング用途で開発されています。

光センサの仕組み

単純なスイッチ回路を考えてみましょう。

受光素子に光が当たると電気抵抗が変わる受光素子(フォトレジスタ)を回路に用いれば、それはもう、立派な光学スイッチです。また、意図的に特定の波長の光を当てることで反応させたいのであれば、光源と受光素子を一体制御することで、単なるON/OFFスイッチだけではなく、高度な検出や測定に起用できる光センサを作ることができます。

光が当たると電荷が発生するフォトダイオードを受光素子に用いると、高度な情報を取り出せるセンサデバイスになります。カメラに用いられるCMOSセンサやCCDセンサがそれにあたります。高精度のオートコリメータにも受光部としてCMOSセンサが用いられます。

光源に安価なLEDを用いる光センサも多く存在しますが、数センチ以上の距離から受光部を反応させるには、直線性が高く、光が収束したレーザを用いたほうが、電力効率が良く一般的なようです。

つまり、光センサとは、光源とその光の当たり具合を感知する受光素子を組として、そこから得られる電気信号を有用な情報として取得する装置です。

光センサの分類

先に述べたように、「単純な受光素子」のみの光センサと、光源と受光器が一体となりそれぞれの位置関係によって成り立つ光センサの2種類があります。光源・受光素子一体型光センサは、さらに「透過型センサ」と「反射型センサ」へと分類することができます。

・透過型光センサ

光源と受光素子を対向に設置し、間に対象物を挟むことで、受光素子がその変化を検出する仕組みです。インタラプタ型とも呼ばれます。電気的なマイクロスイッチの代わりに使われることも多く、小型で安価な光電センサが、これにあたります。一方、高精度・高耐久を必須とするモーターエンコーダなどでは、磁気式などが小型化され目を引くようになりましたが、まだまだ透過型光センサが主流のようです。

・反射型光センサ

測定対象物に光を当て、そこから反射した光ビームの変化量を受光部で検出するのが、反射型センサの原理です。ただし、測定対象物の色や表面の凹凸、迷光の影響により、安定した検出が難しい場合があります。より良い測定結果を得るためには、その特性を理解することが必要になります。

反射型センサには、大きく分けて2つの種類があります。

① 拡散反射型
反射型センサの中で最も一般的なタイプが、拡散反射型で、光源のビームが対象物に反射するときの乱反射を受光部が捉えます。受光部の前にレンズを置いて集光するため、対象物までの測定距離が集光の焦点距離となります。

② 正反射型
光源の光ビームと受光部の角度を水平線に対して同じ角度θで配置する様式です。光源のビームの直線軸と受光部の直線軸が交差する領域において対象物を検出します。拡散反射型よりも取り付け方法などの制約がありますが、反射光を効率よくとらえることができ、拡散反射型が苦手とする鏡面・光沢面の高精度計測が可能です。

特殊な光センサ

光センサには用途に応じて様々な種類があります。また、同じ原理でも、企業により呼名が違うことがありますが、基本的には透過型か反射型です。そのうちでも、少々、特殊な光センサを見てみましょう。

カラーセンサ

その名のとおり、色を判別するのに特化したセンサです。赤・青・緑の3波長を光源として、それらの反射光から対象物の色を判別します。 また対象物が、ガラスや液体などの光をとおす物質ならば、透過型センサ形態にすることも考えられます。

ファイバセンサ

ファイバセンサとは、光源を光ファイバにつなげ、その先端を対象物に向けることで、検出できるようにしたものです。当然、光ファイバの柔軟性を活かし、直線的にしか進行しない光を「曲げる」ことができます。微細な測定物や、狭い場所、センサヘッドを露出できない高温多湿な場所などで活躍します。

光センサの特徴

光センサの特徴としては以下の2つが挙げられます。

非接触で検知可能

光の投射と受光によって検出を行うため、対象物に接触する必要がありません。 対象物に接触する場合は、検出対象に損傷を与える可能性がありますが、光センサは損傷を与えることなく安全かつ衛生的な検出が可能です。 非接触センサの種類を知りたい方は以下の記事もご覧ください。12種類のセンサの種類と特徴をご紹介しています。

応答時間が短い

応答時間は生産性に直結する重要な要素です。光センサは内部回路が電子部品で構成されているため、機械的な動作がなく、内部電子回路やデジタルデータの処理速度が、デバイスの応答速度と言えるため、非常に高速です。これにより機械が次の動作に迅速に移行することができ、生産性が向上します。

光センサで測定

様々な形態をもつ光センサ。そのなかでもレーザセンサと言えば、距離計測と角度計測の分野が代表的でしょう。特に、距離測定といえば、月との距離を計測するような長距離レーザビーム計測や、物体との距離をμm単位で計測するのも今や当たり前です。

距離測定

レーザ距離計は、工場や建築現場の測量などの分野で幅広く使用されています。変位計も距離測定器の一種です。スマートグラスなどのマイクロディスプレイにおいても両眼視野の距離調整として活用されていますし、変位計を数台リンクさせて物体の平面や立体の位置決めセンサとして応用することもできます。

角度測定

用途に合った光センサを選ぼう

このように光センサは様々な用途で使われています。用途や計測方法に合わせて適切なデバイスを使用しましょう。

角度測定・制御ならSmartLAC

光センサの中でも、角度測定を行いたい場合は、レーザオートコリメータの使用がおすすめです。 駿河精機のレーザオートコリメータ「Smart LAC」は、反射型光センサで、1台で角度測定を完結できます。非接触な角度測定ができるため、製品を傷つけません。 また、レーザを当てるだけで測定できるため、角度測定にかかる時間を短縮させることができます。

レーザオートコリメータを用いるメリットを知りたい方は以下の資料で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

お役立ち資料

高精度な角度測定を実現する
レーザオートコリメータの3つのメリット
機械設計者や光学設計者は角度測定を行う際に、ゲージ・ピックを用いたり、自作の光学測定器を用いたりして目視で測定しています。 しかし、目視による角度測定はデータ化が困難、光学系の内製に伴う専門知識とコストの問題、そして複数点の精密測定の難しさといった課題を抱えています。本資料では、このような角度測定の課題を解決し、高精度な角度測定を実現する方法としてレーザオートコリメータを用いるメリットを3つご紹介します。
資料をダウンロード