直角度とは?
定義や測定方法など基礎知識を解説

2024.07.08
直角度とは、ある線や面が基準面に対してどれだけ直角に近いかを示す指標のことです。
ここでは、直角度の定義とその測定方法について詳しく解説していきます。

直角度とは?定義解説

直角度は、JIS B0621の姿勢偏差の中で定義され(4.8 直角度)、それを図面で表現する方法をJISB0621(5.8 直角度)とJIS B0021姿勢公差(18.10 直角度公差)の中で示されています。どの表現も難解だと思われる方が、少なからずおられると思います。簡単に言うと、物体の平面は、凸凹しています。そして、完全な直角は現実的に作れません。つまり、それらが「どの程度不完全であるのか」を問題にするのが工業的な考え方なのです。

では、改めまして、JISによるそれらの定義を詳しく見てゆきます。直角度とは、「データム直線又はデータム平面に対して直角な幾何学的直線又は、幾何学的平面からの直角であるべき直線形体または平面形体の狂いの大きさをいう」(JISB0621)。この「狂いの大きさ」の許容の尺度を「直角度公差」と言い直します。下の図1のように、基準面Aに対して直角な2面を仮定して、それら2面の間隔(t)に測定対象面が収まれば、その面は直角であると認識します。そのため、幾何公差としての直角度はmm や μm等の長さで表されます。

この加工面を何に使うかによりますが、無作為な部品を組み合わせるための平面(機能面)としては役に立ちそうにありません。そのため、機械加工や組立作業において、部品同士を正確に組み合わさるためには、機能面の平面度や平行度の公差定義も非常に重要になります。 その上で、直角度は一般的に、基準面からの垂直距離が最小となるような点での偏差を評価します。

直角度の図示

角度を図示する際には、基準面に対してデータム指示を行い、対象面に対して公差付き形体指示を描きます。例えば、図 2の表記例のように、対象面は基準面(データムA)に対して直角で、間隔が0.05mm離れた2つの平面のなかに存在している、という意味になります。

図2 指示表記と表示例

 

直角度の測定方法

幾何精度の測定方法が、ISO203‐1にて規格化され、JIS B 6190‐1幾何精度試験として発行されています。残念ながら、職人芸である隙間ゲージを使用した測定方法は掲載されておらず、主にダイアルゲージ(変位計)を用いた手法が記載されています。ここでは、「光学式スコヤ(五角形プリズム)とレーザ真直度干渉計とによる方法」(JIS B 6190‐1の10.2.3.4)が記載されていますので、紹介いたします。

光学式スコヤ(五角形プリズム)とレーザ真直度干渉計による測定

「この測定は、二つの方法で行うことができる。一つ目のほうほうでは、最初の軌跡の真直度誤差は、光学式スコヤを使ってレーザ光線を真直度反射鏡に位置合わせをして測定する。次にウォランストンプリズムを機械の第二運動部部品まで移動させ、第二の軌跡の真直度誤差を光学式スコヤ、真直度反射鏡、又は、レーザ光を動くことなく測定する[図 3のa)とb)を参照]。

  二つ目の方法では、上記のように第一の奇跡の真直度誤差をそくていする。次に、光学式スコヤを取り外し、レーザ光線だけを動かして、真直度反射鏡と再度位置合わせをする。真直度反射鏡は、この測定の間に動かさずに、安定した静止台上に取り付けなければならない。」

図3 光学式スコヤ(五角形プリズム)及びレーザ干渉計を用いた直角度誤差の測定

 

上記では、JISに記載されている測定方法を原文のまま記載しました。第一印象は、大がかりな計測機器が必要で、信頼できるデータ取得にも大いに苦労しそうです。

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