オートコリメータとは?
原理や使用用途を解説!
本記事では、オートコリメータを用いた角度測定の方法や7つの使用用途を解説します。
オートコリメータとは
オートコリメータとは、非接触で面や光線の角度を測定する光学機器です。高精度な角度測定をおこなえるため、精密機械や光学機器の取り扱いに詳しい専門家によって、よく用いられます。
この機器は、主に光学系や機械系における部品の位置調整や傾き測定に活用されます。例えば、レーザー光線を反射させて物体の角度を計測することで、微小な位置ズレや歪みを検出するケースです。また、レンズや反射鏡の表面形状の精度検査にも重宝されます。
オートコリメータの特長は、高い測定精度と非接触での測定が可能な点です。これにより、測定対象に対して影響を与えずに正確なデータを得ることができます。また、自動測定機能を備えているため、効率的かつ迅速な測定が可能です。
さらに、オートコリメータは光学的な原理に基づいているため、機械的な測定機器よりも非常に高い精度を誇ります。そのため、微細な部品や高精度な加工が必要な製品の製造業界で広く利用されています。
またオートコリメータは、専門知識がある方にとっては重要な測定機器ですが、初心者にとっても理解しやすいような特徴を持つ光学機器です。
オートコリメータの原理と測定方法
オートコリメータは、光の持つ直進性とレンズの集光の原理を利用して角度を測定する光学機器です。光源として主に半導体レーザーが用いられ、1次レンズで平行光となったレーザー光を測定対象物に照射します。
対象物からの反射光は2次レンズを通り、焦点面に置かれたイメージセンサ上での光線位置から角度を算出します。
オートコリメータの特徴は、対象物が照射したレーザー光に対して垂直に設置されている場合に、反射光による角度が入射光と一致することです。
一方で対象物が照射したレーザー光に対して傾いている場合は、反射光の角度がずれるため、そのずれの度合いから面の小さな角度測定が可能となります。
オートコリメータの使用用途
オートコリメータは、精密な角度測定だけでなく、真直度、平行度、光軸、光学製品の検査も可能です。
1.工作機械のベッドやロボットの加工装置の真直度測定
精密部品の調整アライメントやワークを置くテーブルの平行度の測定が可能です。研磨の際に基準面に対して部品の傾きが平行になるように測定します。
2.光学窓やウェッジの面など端面の平行度測定
オートコリメータは、1本のレーザビームを透過させることで、同軸上にある2面間の平行度測定が可能です。特に、ガラス板などでは、表面と裏面それぞれの反射光の角度差を計測して平行度を測定します。
3.直角度の測定
「オプチカルスクエア」と呼ばれる五角形のプリズムを使用し、光を曲げることで直角度の測定が可能です。そのためオートコリメータは、正確な直角を求める際に重要な役割を果たします。
4.回転盤の回転角の測定
多面鏡を利用して回転盤や割り出し盤の分割精度を測定します。正確な回転角を確保することが可能です。
5.弾性片のたわみ測定
弾性片に反射鏡を固定し、オートコリメータで観察することで、微小な変化量の測定が可能です。部品の変形や変位を精密に測定するのに使用できます。
6.レーザーの光軸、カメラ内の光路の調整
光学素子の有無による光線角度変化を確認し、光学素子の光軸調整を行います。高精度な光学装置の製造に必要な作業です。
7.光学製品の検査
ディスクやウエハの反りやうねりの測定、ポリゴンミラーの精度測定など、光学製品の品質検査に欠かせない測定が可能です。
オートコリメータは、これらの用途において高い精度と信頼性を持ち、光学機器の製造・検査において重要な役割を果たしています。
オートコリメータの短所
オートコリメータは高精度な測定を可能にする優れた光学機器ですが、短所も存在します。
オートコリメータは光源がレンズの焦点位置にない場合、正確な測定ができず、測定誤差が起きる可能性があります。
この光源位置の誤差は、コリメーターレンズの焦点距離に対して0.1%以下の厳しい精度が必要ですが、その位置調整が非常に難しいためです。
この短所を克服するためには、高い技術と精密な設備が必要となります。専門的な知識と経験を持つ技術者による、正確な設定と校正が大切です。また、使用する際には環境の変化にも注意を払い、正確な測定をおこなうように心掛けましょう。
オートコリメータは適切な対策を講じることで、高精度な角度測定や光学製品の検査において優れた性能を発揮できるのです。
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